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濡れたマンホールの謎 [雑感]

 本質的な中身については不明なままなのだが、ずいぶんと前から不思議に思っていて、昨年になってついに判明したことがある。
 自宅からスーパーまで向かう裏通りは、裏通りであるだけに車もたまにしか通らず、人もあまり歩いてはいない。そんな道をよく夕方に歩いているのだが、途中の四つ角にあるマンホールのひとつが、なぜかいつも濡れている。
 最初は蓋の下の湿気の問題かと思ったが、季節に関わらず、また天候にも関わらず、水をかけられたようにびしょびしょに濡れているのである。その四つ角には三つのマンホールがあって、うちのひとつだけが必ずといっていいほど水浸しとなっているのだ。
 これはいったいなんだろうと不思議に思いながらも、通り過ぎれば忘れ、わざわざ解明しようとする気も起こらないから、いつまでも謎のままとなっていた。それが昨年のあるとき、件の場所へとさしかかると、自転車に乗ったおばさんがペットボトルの水をばしゃばしゃとマンホールにかけていてるのを見た。いつも濡れているあのマンホールである。おばさんは水をかけたあとすぐに去って行った。その目撃によって、かのマンホールがなぜいつも濡れているのかという謎は判明した。
 だが、おばさんのその行動の意味まではわからない。ペットを連れていたわけではないから排泄物の処理ではないし、かけているのが普通の水なのか、それとも何かの成分が含まれているのかも、もちろん見ただけではわからない。
 一度、近くの野良猫が濡れているマンホールに近づいて鼻を寄せている場面に遭遇したが、舐めるでもなく、嫌がるでもなく、すっと通り過ぎた。
 いろんな妄想が広がる。おばさんには人には見えないものが見えていて、そのマンホールから出てこようとしている何かを浄化するために清めの水をかけて町の平安を守っているのか。何かしらの恨みをマンホールに抱いていて、早く錆びてしまえと水をかけ続けているのか。野良猫を殺すための毒水を、猫には察知されて相手にされていないにも関わらずしつこく撒き続けているのか。
 これからも真相はわからないままだろうし、おそらくわからなくてよいことなのだろう。こんな文章を書き続けていることと同じように、他人には理解できないことであっても、人はあれこれと強迫観念に似た行為を飽きることなく続けるものなのである。

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